「日本の非常識」を打破し、人権と民主主義を擁護していくたたかいの共同を!

日本国民救援会 京都府本部 
会長  大平 勲

 戦後65年を経た今日の日本は、政治的にも経済的にも混沌とした局面と共に底が見えない混迷を深めています。国民の良識が長年の自民党政治を退却させ「政権交代」した鳩山政権は1年も持たないままに退陣し、変わった菅内閣も政治とカネ、普天間基地・尖閣諸島問題などで国民の声に耳を傾けない姿勢から支持を急落させています。米軍基地の撤去を求める沖縄県民をはじめとした国民の声に背を向けて日米軍事同盟路線を踏襲する民主政権が、国民から見離されるのは時間の問題といわれているのが実態です。
 「不支持層」が世論を牽引する動向が見られるもとで、自民党への回帰や「改革」を標榜する政党への期待がありますが、それらは一時的な「あだ花」にすぎないことは国民的に暴かれることでしょう。今こそ、主権者である私たちがくらしや雇用、福祉、教育などを重視する政治の実現をめざして奮闘する歴史的任務と価値があります。
 世界の常識が日本の非常識といわれる言論表現問題や高学費問題なども国際人権条約の諸条項が認知される中で必ず是正していかねばなりません。
 昨年は、冤罪事件のいくつかが解決を見るという大きな前進がありました。足利事件が再審で無罪判決、布川事件もこの3月には再審無罪判決が確実視、枚方や福岡の事件も高裁逆転無罪が確定し、事件から50年を経た名張事件も差し戻し審で証拠調べでの攻防が展開されています。これらの出来事は昨年の社会ビッグニュースにもなることで無実の人を救済するために奮闘する国民救援会の国民的評価も高まってきています。また、冤罪を元からなくすためにも捜査の全面可視化と証拠の全面開示を実現することの世論が法曹界やマスコミを含めて高まってきています。
 大阪地検特捜部の証拠改ざん問題は、隠然と行われてきた警察・検察捜査の異常なまでの偏向不正ぶりがたまたまの出来事ではなく日本の捜査の体質的欠陥を露呈したもので、こうした誤った捜査のあり方を容認してきた裁判所の責任も厳しく問われることがらです。
 また、市民参加の裁判員制度が開始され2年目を迎えます。守秘義務の是非や死刑執行などの問題点もいくつかあり、3年目の「改善」に向けた議論も必要ですが、裁判官だけでヴェールに包まれていた刑事裁判のあり方が国民的な関心事になったことは歴史的な一歩と言うべきでしょう。自由法曹団のみなさん方といっしょにとりくんできている「裁判員制度を考える京都の会」でも、2年目に入る5月14日にジャーナリストの江川紹子さんを招いての記念講演会を企画しています。
 戦後第一反動期の反共シフト強まるもとで結成された国民救援会京都府本部はこの3月に60周年の節目を迎えます。大きなイベントをもつにはまだまだ力不足と言わなければなりませんが、府本部大会と結合した企画を含めて5月に開催する「救援美術展」も労働事件支援を掲げて記念の年にふさわしい成功を期しています。みなさん方の引きつづく大きなお力添えをお願いします。
 司法修習生の給費制度問題も昨年の大きな運動が実って、1年間の延期を勝ちとりましたが今年が大きなヤマ場です。修習生に給料が出なくなると経済的に恵まれた人にしか法曹の門戸が開かれないという事態が懸念され、労働者や弱者、冤罪に苦しむ人々に「奉仕して」手をさしのべてくれる弁護士も少なくなることでしょう。京都では多くの若い弁護士を含めて他県では見られない程、献身的に奮闘いただいていることは私たちの目にとまっていることです。だから、この問題は法曹界のことではなくて国民的権利と民主主義に関わることとしてとりくんでいかねばなりません。
 今年も、自由法曹団京都支部のみなさんのご指導、ご鞭撻のもとに私たち国民救援会も全力で奮闘し、各界のみなさんと共同して光り輝く一年にしていく決意です。