入団挨拶

寺本 憲治

 はじめまして。このたび、京都第一法律事務所に入所し、自由法曹団にも入団させて頂きました新63期弁護士の寺本憲治と申します。よろしくお願い致します。
1.自己紹介・経歴など
 私は、京都の右京区太秦で生まれ育ちました。簡単に私の経歴を紹介させて頂きますと、地元の小・中・高校を卒業し、同志社大学法学部政治学科に入学しました。大学卒業後、受験予備校で司法試験の勉強を始め、京都大学法科大学院未修者コースを卒業した後に司法試験に合格しました。京都から全く離れたことがなかったので、少し違う場所で生活して視野を広げてみたいと思い、司法修習地は広島を選びました。
 1年ぶりに京都に帰ってきて、鴨川をジョギングしたり、京都御所を散歩したり、旧友に会いに行ったりしていますが、その度にやはり故郷はいいなあと思いました。この、故郷の京都で弁護士として京都の人々のために働けることに大きな喜びを感じています。

2.弁護士になろうと思ったきっかけ(労働問題への関心)
 私は、大学では法学部ではありましたが政治学科であったため、法律についてはほとんど勉強していませんでした。そんな私が司法試験の勉強を始めたきっかけは、父親が労働組合の活動をしていたことにあります。異常に長い労働時間、明らかに不当な転勤や解雇、それによる労働者の自殺。そうした理不尽な事件について父から話を聞くうちに、自分も労働者の方々の力になりたいとの思いが強くなり、市民の味方である弁護士になろうと決意しました。
 法科大学院に入学後、選択科目として自分が興味のあった労働法を選びました。多くの判例を読み事例に即して具体的に勉強したことにより、現実に起こっている労働問題をより身近に感じる事が出来ました。初めて本格的な労働法の授業を受講しましたが、日々新しい知識や労働問題に対する考え方を得ることが出来てとても勉強になりました。
 私が弁護士になりたいと思った時から実際に弁護士になるまで長い時間がかかり、その間にも労働者を取り巻く環境はさらに厳しいものになりました。今後さらに労働問題に重点的に取り組み、労働者の権利をしっかりと守れる弁護士になりたいと思います。自由法曹団には労働問題に精通された先生方がたくさんいらっしゃるということなので、そういった先生方と一緒に活動して意欲的に学んでいきたいと思っております。

3.司法修習について
 私は広島で司法修習を行いました。修習先の事務所には6人の弁護士の先生方がいらっしゃいましたが、それぞれの先生が、一般的な事件以外に憲法問題・消費者問題・少年事件・福祉活動・給費制維持活動などに精力的に取り組んでいらっしゃり、私もそういった分野を垣間見ることができました。
 給費制維持に向けた集会には私も参加させて頂きましたが、弁護士の先生方や法科大学院の学生が給費制維持について熱く訴えていました。正直に申し上げると、政治の世界を動かし給費制を維持させることについては、私はかなり難しいことであると思っていました。しかし、実際に給費制が維持されることとなり、私は驚くと共にそうした熱い訴えが政治の世界を動かしたのだと感銘を受けました。私も弁護士となった際には、決してあきらめることなく自分がこうあるべきだと思った問題には精力的かつ粘り強く取り組んでいこうと思いました。
 また、広島では自由法曹団・青法協の弁護士事務所の先生方が定期的に修習生を招いて講演会や懇親会をして下さいました。広島市元市長が考える平和問題・B型肝炎訴訟・原爆症認定訴訟・光市母子殺人事件などについての講演会があり、どれも現場を体験された先生方の興味深い話でとても勉強になりました。私が特に心に残っているのは広島市元市長の平岡敬さんのお話で、ご高齢であるにも関わらず、とてもエネルギッシュで日本の平和について心から憂いておられた姿が印象的でした。
 広島の街では、至る所で原爆投下という悲惨な歴史の爪痕を目にすることができます。平和記念公園や資料館にも幾度も足を運びながら、私は実際に戦争を体験された方にとっての日本国憲法の重みを考えてきました。私は、この平和の尊さを決して忘れることなく、弁護士として憲法を守っていこうと心に誓いました。

4.今後の抱負など
 前述のように、私が特に興味がある分野としては労働・平和問題があります。弁護士として日々の仕事に取り組むと同時に自由法曹団の活動を通じて、自分の興味のある分野を掘り下げるべく意欲的に行動していきたいと思います。また、同時に、労働・平和以外の社会問題についても積極的に関わり、活動の分野と視野をより広げていきたいと思っています。
 弁護士として働き始めたばかりで至らぬ所もあると思いますが、弁護士になりたいと思った時の熱い気持ち、修習中に抱いた思いを忘れずに、一つ一つの事件や自由法曹団の活動に全力で取り組んで参りたいと思います。
 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。